「純米吟醸酒」とは?

純米吟醸酒の読み方・歴史

純米吟醸酒(じゅんまいぎんじょうしゅ)とは特定名称酒の一つで、精米歩合60%以下の白米を使用し、醸造アルコールを一切使用しない、吟醸造りを行った清酒のことです。

江戸時代あたりから「吟造」という言葉が使われています。明治時代になると、「吟醸」という言葉が使われ始めたようです。各地の酒造家が品評会の入賞を目指していくにあたって、酒造の技術を高めていく過程で普及していったと考えられています。

昭和初期になると、竪型精米機(たてがたせいまいき)が登場します。これにより精米技術が飛躍的に向上、玄米を外側から40%~50%削り取る高度な精米が可能となりました(精米歩合60%~50%)。この精米機の普及は早く、3、4年のうちにほとんどの酒造場に導入されました。
のちの研究によって、吟醸酒の特徴である香りの生成を、米の表層部分に多い脂肪が妨げることが分かっています。

高度な精米が可能になると、研究や技術開発に取り組むメーカーも徐々に増えていくにともなって、吟醸酒の品質もどんどん向上していきましたが、造られるお酒はごく少量、品評会用のものばかりで販売はほとんどされませんでした。

その後は戦争による米の流通の制限などもあり、一時は吟醸造りの中断を余儀なくされますが、華やかな芳香を出す酵母の頒布などにより、吟醸系のお酒は徐々に市場に出回るようになりました。吟醸酒ブームなども手伝って、日本酒の消費低迷期にも吟醸系の日本酒は消費を伸ばしていきました。

現在では、日本酒の品質向上に向けての試行錯誤が重ねられた結果、吟醸系のお酒の品質は過去最高の水準に達しています。
世界市場においても日本酒は評価されており、輸出額量は年々倍増しています。普通酒を作る日本酒醸造所は世界に数多く存在していますが、日本の水や技術でしか造れない吟醸系のお酒の注目度は高く、アメリカやフランスをはじめとした世界各国で主に食前酒として親しまれています。

純米吟醸酒の特徴とは?純米大吟醸酒との違いはこちら

華やかな香りと穏やかながら芳醇な味わいが楽しめるのが、純米吟醸酒の魅力の一つです。

より香りが特徴となるように造られた吟醸系のお酒のことを「ハナ吟醸」と呼びます。
華やかな香りとさっぱりした味わいが特徴です。また、吟醸系のお酒の中でも、香りは控えめながら濃醇な味わいを持つものを「味吟醸」と呼ぶこともあります。

温度帯によって様々なお米の旨味を味わうことが出来ます。また、味吟醸タイプの純米吟醸酒はお燗をしても楽しめます。

純米大吟醸酒との違いは精米歩合です。純米吟醸酒の精米歩合が60%以下であるのに対し、純米大吟醸酒の精米歩合は50%以下になります。純米大吟醸酒と比べて、米の旨味が引き立った味わいが特徴です。

純米吟醸酒の「おいしい飲み方」と「おすすめの飲み方」

10℃前後の冷酒の場合香りが落ち着き、スッキリとした味わいが楽しめます。
20℃前後の冷やでは香り・味わいが滑らかでお酒本来の味わいが楽しめます。
40℃前後のぬる燗の場合は、日本酒の持つ豊かな香味を感じ取れます。

ほとんどの吟醸酒は冷やすことで香りと味わいのバランスが取れて美味しくいただけます。

華やかな香りとサッパリとした味わいが特徴のハナ吟醸タイプは冷やして食前酒でいただくのがオススメです。

また、香りは控えめながら濃醇な味わいを持つ味吟醸タイプのお酒は料理との相性がよく、食事をより楽しむことが出来るため、食中酒におすすめです。

純米吟醸酒の間違いない保存方法はコチラ!安心の保存方法を伝授

純米吟醸酒の場合、開栓前であれば製造年月から10カ月程度までそれほど味わいの変化のない状態で楽しめます。
純米吟醸酒は紫外線や温度変化に弱いため、日光や照明に当たらない涼しい場所に保管してください。新聞紙で瓶をくるんであげるのがおすすめです。冷蔵庫で保管する場合、庫内の照明を落としてあげるとより効果的です。

開栓後も同様に冷暗所で保存します。開栓後のお酒は酸化が進むため、香りや味わいに変化なく楽しめる期間は開栓から約3日ほどです。少なくとも1週間程度で飲みきるのが望ましいです。

また、開栓前/開栓後に限らず酒瓶を寝かせてしまうと、お酒が空気に触れる面積が大きくなってしまうほか、容器のキャップが痛む可能性もあるので、酒瓶は立てて保存してください。

純米吟醸酒の精米歩合は何%?誰でもわかるように解説します

特定名称使用原料精米歩合こうじ米使用割合香味等の要件
純米吟醸酒
(じゅんまいぎんじょうしゅ)

米こうじ
60%以下15%以上吟醸造り、固有の香味、色沢が良好
※農産物検査法によって、3等級以上のお米を使用していること

純米吟醸酒の精米歩合は60%以下と定められています。

純米吟醸酒のアルコール度数はどのくらい?美味しく呑む秘訣も教えます

純米吟醸酒のアルコール度数は平均するとおよそ15~16度です。

洋酒にはチェイサーと呼ばれる追い水がありますが、日本酒にも和らぎ水というものがあります。一緒に水を飲むことで酔いにくくなります。また、アルコールを分解するときに生成されるアセトアルデヒドは二日酔いの原因になりますが、水を飲むことで尿と一緒にアセトアルデヒドを排出してくれます。

さらに、間に水を飲んで口の中をリフレッシュすることで、お酒や料理の味わいをフルに楽しむことが出来ます。

氷に日本酒を注いでオンザロックでいただくのもおすすめ。アルコール度数が高いお酒や濃い味わいのお酒も徐々に氷が溶けていくことで非常に飲みやすくなります。


純米吟醸酒のオススメはこちら!

Posted by 新潟の地酒