PR

醸造アルコールが清酒に使われる理由とは?純米酒との違いや味わいの変化を徹底解説!

「日本酒のラベルを見たら『醸造アルコール』って書いてあった……これって体に悪いの?」 「純米酒の方が高くて本格的で、醸造アルコールが入っているお酒は安物なのかな?」

日本酒を選ぶとき、ボトル裏の原材料名を見てこのように疑問に思ったことはありませんか?

「アルコールをわざわざ添加している」と聞くと、なんだか悪酔いしそうなイメージや、かさ増しされた粗悪品のようなイメージを持ってしまう方も少なくありません。

しかし、結論から言うと「醸造アルコール=悪」というのは大きな誤解です!

実は、醸造アルコールは決してお酒を安く仕上げるための怪しい添加物ではありません。むしろ、日本酒をより華やかな香りに仕上げ、すっきりとキレの良い味わいにするために、職人(杜氏)たちがこだわりを持って使う「魔法のエッセンス」のようなものなのです。

この記事では、お酒初心者の方にも分かりやすく、以下の内容を徹底解説します。

  • そもそも「醸造アルコール」って何でできているの?
  • 清酒にわざわざアルコールを足す「3つのポジティブな理由」
  • 「純米酒」と「醸造アルコール入りのお酒」の味わいの違いと選び方
  • 気になる「悪酔い・頭痛」との本当の関係性

「アルコール入りは苦手かも……」という食わず嫌いをなくせば、あなたが美味しいと思える日本酒の選択肢が一気に何倍にも広がります。

醸造アルコールの本当の役割を知って、居酒屋や酒屋さんでの日本酒選びを今よりもっと楽しんでみませんか?

そもそも「醸造アルコール」とは?その正体を分かりやすく解説

日本酒のラベル裏に書かれた「醸造アルコール」という文字を見て、「工場で化学合成された怪しい液体なのでは…?」と不安になる方もいるかもしれません。

でも、安心してください。その正体は、私たちが普段から口にしている、100%植物由来の「ナチュラルな食用アルコール」です。

醸造アルコールの正体は「サトウキビ」や「トウモロコシ」

醸造アルコールの主な原料は、サトウキビ(糖蜜)やトウモロコシ、サツマイモ、米などの穀物や植物です。

これらを発酵させて何度も蒸留を繰り返し、アルコール純度を極限(95%以上)まで高めたものが醸造アルコールになります。余計な味や香りが一切ない、非常にピュアできれいなアルコールです。

豆知識:実はみんな普段から飲んでいる! 「醸造アルコール」と聞くと身構えてしまいますが、中身は居酒屋のレモンサワーやチューハイに使われている「甲類焼酎(連続式蒸留焼酎)」と全く同じものです。そう聞くと、一気に身近に感じられませんか?

「化学合成」ではなく「お酒造りの伝統」

工業用に使われる合成アルコールとは異なり、清酒に使われる醸造アルコールは、厚生労働省が認めた安全な「食品添加物(加工助剤)」です。

江戸時代にはすでに「柱焼酎(はしらじょうちゅう)」といって、日本酒の仕込みの段階で米焼酎や粕取り焼酎を混ぜる技法が存在していました。つまり、お酒にアルコールを足す行為は、日本の伝統的な酒造りの知恵から生まれた由緒正しい技術なのです。

「添加物」という言葉の響きだけで敬遠されがちですが、決して怪しいものではなく、自然の恵みから作られた安全なお酒であるということを、まずは知っていただけると嬉しいです。

清酒(日本酒)に醸造アルコールを添加する3つのメリット

「原料が植物由来で安全なのはわかったけれど、なぜわざわざ水や米以外のアルコールを混ぜるの?」と思いますよね。

実は、醸造アルコールをほんの少し加えるだけで、日本酒は劇的に美味しく、そして扱いやすくなります。職人たちがこだわりを持ってアルコールを添加する3つのポジティブなメリットを見ていきましょう。

① 香りを極限まで引き出す(フルーティーさの秘密)

メロンやリンゴ、バナナのような華やかでフルーティーな香りを持つ日本酒(吟醸酒など)に出会ったことはありませんか? あの贅沢な香りを引き出すために、醸造アルコールが大活躍しています。

日本酒の香りの成分は、水には溶けにくく、「アルコールに溶け込みやすい」という性質を持っています。

もろみ(発酵中のお酒の元)に少量の醸造アルコールをシュッと加えることで、米から出た華やかな香りをしっかりと液体に溶け込ませ、お酒の中に閉じ込めることができるのです。アルコールを入れない純米酒に比べて、香りがよりパッと華やかに広がりやすくなります。

② 味わいをスッキリさせる(極上の「キレ」を生む)

2つ目のメリットは、味わいをコントロールして「喉越し」を良くすることです。

お米と酵母だけで作った日本酒は、米の旨味や甘みがしっかり残る分、人によっては「少し重い」「口の中に甘さが残る」と感じることがあります。

ここにピュアな醸造アルコールを加えると、お酒全体の味わいがキュッと引き締まり、雑味のないスッキリとした辛口(淡麗な味わい)に仕上がります。ひと口飲んだあとにスッと味が消えるような、心地よい「キレの良さ」は、醸造アルコールのおかげで生まれているのです。

③ 品質を安定させる(お酒の腐敗を防ぐ伝統の知恵)

日本酒は生き物です。特に昔は技術や保存環境が未熟だったため、せっかく造ったお酒に雑菌が繁殖して酸っぱくなり、腐ってしまう(火落ちする)ことがよくありました。

アルコールには強い殺菌・抗菌作用があります。仕込みの段階でアルコール度数を適度に補強してあげることで、雑菌の繁殖を抑え、お酒の品質を長く安定して保つことができるようになります。

歴史のヒント:江戸時代の知恵「柱焼酎」 実はこれ、現代の技術ではありません。江戸時代にはすでに、お酒が腐るのを防ぎ、味をシャープにするために、日本酒に米焼酎などを混ぜる「柱焼酎(はしらじょうちゅう)」という技法が行われていました。現代の醸造アルコールは、この先人たちの素晴らしい知恵を受け継いだものなのです。

このように、醸造アルコールは決して手抜きではなく、「香りを高く」「後味をスッキリ」「品質を安全に」するための、引き算と足し算の素晴らしい技術なのです。

「醸造アルコール入り=悪酔い・頭痛がする」という噂の真実

「醸造アルコールが入っている日本酒を飲むと、翌日ひどい頭痛がする…」 「純米酒は翌日に残らないけど、アル添(アルコール添加)のお酒は悪酔いしやすい気がする」

ネットの口コミや飲み会で、このような噂を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。結論からお伝えすると、「醸造アルコールが入っているから悪酔いする」という因果関係は、科学的には認められていません。

では、なぜこのような噂が広まってしまったのか、そして悪酔いの本当の原因は何なのかを紐解いていきましょう。

悪酔いの本当の犯人は「飲みやすさ」と「量」

醸造アルコールが添加されたお酒(本醸造や吟醸酒など)の大きな特徴は、前の章で解説した通り「すっきりとしたキレの良さ」と「華やかな香り」です。

実は、この「すっきりしていて美味しい」というポジティブな特徴こそが、悪酔いを引き起こす最大の罠になります。 口当たりが軽くてスイスイ飲めてしまうため、知らず知らずのうちに自分のキャパシティを超えた量を短時間で飲んでしまいがちなのです。

悪酔いや頭痛の根本的な原因は、お酒の種類ではなく、純粋に「体内で処理しきれないほどの純アルコール量を摂取したこと(血中アルコール濃度が急激に上がったこと)」。つまり、お酒の種類のせいではなく、単純な「飲みすぎ」が原因であることがほとんどです。

なぜ「醸造アルコールのせい」にされてしまったの?

これには歴史的な背景が絡んでいます(詳しくは次の章で解説します)。

かつて戦後の物資が不足していた時代、大量の醸造アルコールや糖類でカサ増しした粗悪な三倍増醸酒(三増酒)が出回ったことがありました。この時代のお酒は、アルコールの質というよりも全体のバランスが悪く、飲むと頭痛がしやすかったため、その時の「アルコールを混ぜた安い日本酒=悪酔いする」という強烈なイメージが、現代まで都市伝説のように残ってしまったのです。

しかし、現代の特定名称酒(吟醸酒や本醸造酒など)に使われている醸造アルコールは極めてピュアで高品質なものです。純米酒と比べても、体に悪い成分が含まれているわけではありません。

悪酔いを防ぐ最強の相棒「和らぎ水(やわらぎみず)」 日本酒を飲むときは、お酒の横に必ずお水(チェイサー)を用意しましょう。日本酒の業界ではこれを「和らぎ水」と呼びます。 お酒と同量、またはそれ以上の水分を合間に挟むことで、胃の中のアルコール濃度が薄まり、肝臓への負担が激減します。これだけで、翌朝のスッキリ感が驚くほど変わりますよ!

醸造アルコールは頭痛の犯人ではありません。すっきり辛口のアル添酒も、お水を上手に味方につければ、翌朝を怖がることなくその美味しさを100%楽しむことができます。

歴史的背景:なぜ「醸造アルコール=安物」のイメージがついたのか?

「醸造アルコールは安全で、メリットもある」と分かっても、なぜ世間では「純米酒=高級・本物」「アル添(アルコール添加)=安物・偽物」というイメージが根強く残っているのでしょうか?

その理由は、昭和の日本が経験した「米不足の時代」の歴史にあります。

戦後の米不足が生んだ「三倍増醸酒(三増酒)」の記憶

第二次世界大戦中から戦後にかけて、日本は深刻な米不足に陥りました。日本酒はお米から作られるため、お米が足りなければお酒を造ることができません。そこで当時の政府や酒蔵が考案したのが、お酒を人工的に“カサ増し”する技術でした。

本来のやり方でお酒(もろみ)を造ったあと、そこに大量の醸造アルコールを注ぎ込みます。さらに、アルコールで薄まってしまった味を補うために、糖類(砂糖や水あめ)や酸味料(グルタミン酸など)を混ぜて味付けをしました。

こうして出来上がったのが、元の日本酒の量のなんと3倍にまで膨らませたお酒、通称「三倍増醸酒(さんばいぞうじょうしゅ、略して三増酒)」です。

当時はお酒が貴重だったため重宝されましたが、味わいは現在の日本酒とはかけ離れたベタベタと甘く、お世辞にも美味しいとは言えないものでした。この「カサ増しされた安くて質の悪いお酒」の記憶が親の世代から子へと引き継がれ、「醸造アルコールが入ったお酒=安物の混ぜ物」というネガティブなイメージが定着してしまったのです。

現代の酒造りはまったく別物!使われる量は「ごくわずか」

では、今の日本酒はどうでしょうか? 結論から言うと、現在の美味しい日本酒(特定名称酒)における醸造アルコールの役割は、当時のカサ増し目的とは180度異なります。

法律(酒税法)によって、吟醸酒や本醸造酒に加えてよい醸造アルコールの量は、「使用する白米の総重量の10%以下」と厳しく制限されています。

項目昭和の「三増酒」(カサ増し目的)現代の「特定名称酒」(品質向上目的)
目的お米を節約し、お酒の量を増やすため香りを引き出し、後味をスッキリさせるため
使用量大量(元の量を3倍に膨らませるレベル)ごくわずか(白米の重量の10%以下のみ)
添加物糖類、酸味料などもたくさん混ぜる高品質な醸造アルコールのみ(糖類は一切なし)

現在の職人たちは、お酒を増やすためではなく、あくまで「味わいや香りを最高の状態に整えるための調味料」として、数滴の隠し味を入れるような感覚で醸造アルコールを扱っています。

かつての「三増酒」のイメージのまま、現代のこだわり抜かれた吟醸酒や大吟醸酒を避けてしまうのは、本当にもったいないことです。過去の歴史と現在の技術はまったくの別物であるということを、ぜひ知っていただければと思います。

【比較表】醸造アルコールの「ある・なし」で日本酒の種類はどう変わる?

酒屋さんや居酒屋さんのメニューで、「純米大吟醸」や「大吟醸」といった言葉を見て、「何が違うんだろう?」と混乱したことはありませんか?

実は、国が定めたルール(特定名称酒)において、日本酒のグループ分けの大きな基準になっているのが、まさに「醸造アルコールが入っているか、いないか」なのです。

ここで一度、醸造アルコールの「ある・なし」で日本酒の種類がどう変わるのか、表を使ってスッキリ整理してみましょう。

日本酒の分類(特定名称酒)の早見表

国が認めた高品質な日本酒は、大きく分けて以下の2つのグループ(計8種類)に分類されます。

グループ醸造アルコールお酒の種類(特定名称)特徴・違いのポイント
【純米グループ】
(お米のおいしさをダイレクトに楽しむ)
なし
(米・米麹・水だけ)
・純米酒
・特別純米酒
・純米吟醸酒
・純米大吟醸酒
原材料はお米だけ。お米本来の豊かな旨味やコク、ふくよかな甘みが特徴です。
【アル添グループ】
(香りとキレの技術を楽しむ)
あり
(米・米麹・水+醸造アルコール
・本醸造酒
・特別本醸造酒
・吟醸酒
・大吟醸酒
ほんの少しの醸造アルコール(10%以下)を加えることで、華やかな香りと、すっきり引き締まった「キレ」を生み出します。

名前のルールは「純米」が付くかどうか

見分け方はとってもシンプルです。 名前に「純米」と付いていれば醸造アルコールはゼロ、付いていなければ隠し味として醸造アルコールが使われているお酒になります。

  • 「純米大吟醸」= 醸造アルコールを使っていない、お米をめちゃくちゃ磨いた最高峰のお酒
  • 「大吟醸」 = 醸造アルコールを使っている、お米をめちゃくちゃ磨いた最高峰のお酒

「大吟醸」よりも「純米大吟醸」の方が名前が長くて強そう(?)に見えるため、純米大吟醸の方が格上だと思われがちですが、これらはあくまで「造り方のスタイルの違い」であり、お酒の優劣ではありません。どちらも蔵人が持てるすべての技術を注ぎ込んで造る、最高クラスの高級酒です。

このルールさえ頭に入っていれば、ラベルを見ただけで「あ、これはすっきり系だな」「これはお米のコクがありそうだな」と、飲む前に味の想像がつくようになりますよ!

「純米酒」と「本醸造・吟醸酒」の味わい・香りの決定的な違い

日本酒の分類ルールが分かったところで、一番気になるのは「で、結局どっちが美味しいの?」という点ですよね。

結論から言うと、どちらが優れているということは一切なく、完全に「好みの問題」です。醸造アルコールが入っていない「純米系」と、ほんのり入っている「アル添系(本醸造・吟醸酒など)」では、驚くほど味わいの個性が異なります。

それぞれの決定的な違いを、分かりやすくのぞいてみましょう。

【純米系】米本来の旨味とコクを楽しむ「ふくよかタイプ」

純米酒や純米吟醸などの「純米系」は、原材料がお米と水だけ。そのため、お米そのものが持つポテンシャルをダイレクトに味わえるのが最大の特徴です。

  • 味わい: お米のコク、豊かな旨味、ふくよかな優しい甘み。
  • 香りの印象: 炊きたてのお米のような穏やかな香りや、バナナのような落ち着いた甘い香り。
  • 例えるなら: まるで「大人のためのお米のジュース」。口に含むと、お米のまろやかな旨味がじんわりと広がります。

お米らしいどっしりとした飲みごたえが欲しい方や、お酒単体でも旨味をじっくり噛み締めたい方には、純米系が断然おすすめです。

【アル添系(本醸造・吟醸)】華やかな香りとキレを楽しむ「すっきり爽快タイプ」

本醸造や吟醸、大吟醸などの「アル添(アルコール添加)系」は、醸造アルコールの効果が最大限に活かされた、シャープで洗練された仕上がりが特徴です。

  • 味わい: 雑味がなく、サラリとした軽快な喉越し。後味がスッと消える引き締まった「キレ」。
  • 香りの印象: リンゴやメロン、お花のような、パッと華やかでフルーティーな香り。
  • 例えるなら: 例えるなら「洗練された大人の白ワイン」。一口飲むたびに口の中がリフレッシュされるような爽快感があります。

「日本酒はちょっと重くて苦手」「ベタベタ甘いお酒は頭が痛くなりそう」と感じる方にこそ、このアル添系のすっきりとした爽やかさは目からウロコのはずです。

あなたはどっち派?好みの見つけ方

好みのスタイルは、その日の気分や体調によっても変わります。

  • 「今日はガツンとお米の味を感じて、お酒メインでじっくり酔いたいな」→ そんな夜は【純米酒】がぴったり。
  • 「喉が渇いているから爽やかに飲みたい、フルーティーな香りに癒やされたいな」 → そんな夜は【吟醸酒・大吟醸酒】が最高です。

「純米じゃないと本物じゃない」という昔のこだわりは、現代の日本酒界ではもう過去のもの。どちらの造り手も、それぞれの個性を極限まで高めるために命を懸けています。ぜひフラットな気持ちで、両方の個性を楽しんでみてくださいね。

料理とのペアリングで選ぶ!タイプ別のおすすめな飲み方

「純米系」と「アル添系(本醸造・吟醸)」の味わいの違いが分かると、今度は「どんな料理と一緒に飲めばいいの?」という楽しみが生まれます。

日本酒は、合わせる料理や「飲む温度」によって、美味しさが何倍にも膨らむ魔法のお酒です。それぞれの魅力を120%引き出す、おすすめの組み合わせをご紹介します。

お肉料理や煮物には:純米酒を「ぬる燗(かん)」で

お米のコクと旨味がぎゅっと詰まった純米酒は、しっかりとした味付けの家庭料理や、お肉の脂がある料理と相性抜群です。

  • おすすめの料理: 肉じゃが、豚の角煮、焼き鳥(タレ)、ハンバーグ、サバの味噌煮
  • イチオシの飲み方: ぬる燗(40℃前後)

美味しくなる理由: 純米酒は、少し温めることでお米の甘みや旨味成分(アミノ酸)がふわっと花開きます。お米はもともと、お肉やおかずと一緒に食べて美味しいものですよね。温めた純米酒はお米の「ご飯」と同じ役割を果たしてくれるため、濃いめのおかずの味を優しく包み込み、最高のペアリングを楽しめます。

お刺身やバル料理には:吟醸酒や本醸造を「冷酒」で

醸造アルコールがもたらす華やかな香りと、すっきりとしたキレが特徴のアル添系(吟醸酒・本醸造酒)は、素材の味を活かした繊細な料理や、さっぱりした洋食とよく合います。

  • おすすめの料理: 白身魚のお刺身、カルパッチョ、カプレーゼ、お寿司、天ぷら(塩)
  • イチオシの飲み方: 冷酒(10℃前後・冷蔵庫でしっかり冷やす)

美味しくなる理由: キリッと冷やすことで、醸造アルコールならではの爽快な喉越しと引き締まった後味がさらに際立ちます。お刺身の繊細な脂を上品に引き立て、天ぷらなどの油っぽさを一瞬でサラリと洗い流してくれる(お口直しをしてくれる)ため、次の一口がまた新鮮に美味しく感じられます。フルーティーな吟醸酒なら、ワイングラスで飲むのもおしゃれでおすすめです。

「迷ったら料理の国籍や味の濃さ」で選ぶ

お店のメニューを見て迷ってしまったら、簡単な方程式を覚えておきましょう。

  • 醤油や味噌ベース、お肉、しっかり味 =「純米酒」
  • 塩、ポン酢、カルパッチョ、お魚、さっぱり味 =「本醸造・吟醸酒」

このように料理に合わせてお酒をスイッチできるようになると、居酒屋での時間が何倍も充実します。「この料理にはどっちが合うかな?」と、ぜひ宝探しのような感覚で組み合わせてみてくださいね。

初心者におすすめ!醸造アルコールの魅力が活きた日本酒の選び方

「醸造アルコール入りの日本酒も試してみたいけれど、たくさんありすぎてどれを選べばいいか分からない…」

そんな日本酒初心者の方に向けて、食わず嫌いをなくし、醸造アルコールの本当の魅力を体感できる失敗しない選び方のステップを2つご紹介します。

お店のメニューやボトルのラベルを見るときに、ぜひ役立ててみてください!

ステップ①:ラベルの「吟醸」「大吟醸」という表記に注目する

酒屋さんやスーパーでボトルを選ぶときは、名前に「純米」と付いていない「吟醸」「大吟醸」と書かれたお酒を探してみてください。

前述の通り、これらのお酒には醸造アルコールが絶妙なバランスで使われています。

一口飲めば、その「驚くほどのフルーティーさ」に衝撃を受けるはずです。まるで完熟したリンゴやメロンのような甘く華やかな香りが鼻に抜け、「これが日本酒なの!?」とイメージが180度変わるお酒がたくさんあります。

醸造アルコールのおかげで香りが極限まで引き出された、贅沢で美しい世界をまずは体験してみてください。

ステップ②:居酒屋では「すっきり辛口でキレのあるもの」と注文する

居酒屋でお酒を頼むときは、銘柄が分からなくても全く問題ありません。店員さんにこう伝えてみてください。

「すっきり辛口で、後味にキレのある日本酒はありますか?」

このオーダーで出てくるお酒の多くは、醸造アルコールが心地よく効いた「本醸造酒」や「吟醸酒」です。

冷え冷えの状態でグラスに注がれたそのお酒は、水のようにサラリと喉を通り、食事の邪魔を一切しません。そして、ひと口飲んだ後に口の中がスッと引き締まる感覚(これが『キレ』です)がはっきりと体感できるはずです。「あ、これがアルコールをほんの少し足すことで生まれる爽快感なんだ!」と、納得していただけると思います。

「純米」の縛りをなくすと、日本酒はもっと楽しい!

これまでは「なんとなく体に良さそうだから」「本格派っぽいから」という理由で、無意識に「純米」とつくお酒ばかりを選んでいたかもしれません。

しかし、「吟醸」や「本醸造」といったアル添酒のすばらしさを知ることで、あなたの目の前にある日本酒の選択肢は一気に2倍に広がります。

どちらのスタイルにも、職人たちがこだわり抜いた異なる感動が詰まっています。まずは気負わずに、「すっきりフルーティーな大吟醸」や「キリッと冷えた本醸造」から、新しい日本酒のトビラを開いてみませんか?

よくある質問

Q1. ラベルに「醸造アルコール」と書いてあったら、全部同じ品質ですか?

A. いいえ、お酒の種類(特定名称酒か普通酒か)によって、使用できる「量」がまったく違います。

実は、醸造アルコール自体はどれも植物由来のピュアな食用アルコールで、品質に大きな違いはありません。しかし、「どれくらい使われているか」でお酒のランクが変わります。

  • 吟醸酒・大吟醸酒・本醸造酒(特定名称酒): 使える量は「白米の重量の10%以下」という非常に厳しいルールがあります。ほんの少しだけ香りとキレを整えるために使われる高級品です。
  • 普通酒(パック酒など): 特定名称酒よりも多くの量を加えることが認められています(白米重量の50%以下まで)。そのため、すっきり飲みやすい大衆酒をリーズナブルに提供するために活用されています。

同じ「醸造アルコール」という表記でも、吟醸酒などにおいては「こだわりの隠し味」としてごく少量だけ使われている、という違いを知っておくと安心です。

Q2. アルコール度数を高くするために混ぜているのですか?

A. いいえ、度数を上げる目的で混ぜているわけではありません。

「アルコールを足す」と聞くと、お酒を強く(度数を高く)しているように思えますよね。しかし、それは誤解です。

日本酒は、醸造アルコールを混ぜた後、出荷する前に必ずお水(割水)を加えて、誰もが飲みやすい15度〜16度前後のアルコール度数に調整されます。これは純米酒もアル添酒も同じです。

もし度数を高くしたいだけなら、わざわざ手間をかけて醸造アルコールを混ぜる必要はありません。アルコールを添加するのは、あくまで「フルーティーな香りを引き出すため」そして「キレのあるスッキリした味わいにするため」という、美味しさを追求するための職人のこだわりなのです。

まとめ

今回は、日本酒のラベルでよく見かける「醸造アルコール」の正体や、清酒に使われる本当の理由について詳しく解説してきました。

最後に、今回の大切なポイントをもう一度おさらいしておきましょう。

  • 醸造アルコールは安全な植物由来: 化学合成された怪しい液体ではなく、サトウキビなどから作られた100%ナチュラルな食用アルコールです。
  • 美味しさを高める魔法のエッセンス: 「カサ増し」ではなく、華やかな香りを引き出し、すっきりとした極上の「キレ」を生むために職人があえて微量だけ使っています。
  • 悪酔いの原因ではない: 悪酔いや頭痛の本当の原因は、お酒の種類ではなく「飲みすぎ」です。「和らぎ水(お水)」を合間に挟めば、翌朝もスッキリ過ごせます。
  • 純米酒との違いは「スタイルの違い」: お米の旨味をダイレクトに味わう「純米系」と、華やかで爽快な「アル添系(吟醸・本醸造)」。どちらが上ということはなく、完全に好みの問題です。

「醸造アルコールが入っているから…」という理由だけでお酒を避けてしまうのは、日本酒の素晴らしい世界の半分を損してしまっているようなものです。

すっきり辛口な本醸造の喉越しや、メロンのようにフルーティーに香る大吟醸の贅沢な味わいは、醸造アルコールの技術があって初めて出会える感動です。

これからは「純米」の縛りを一度外して、その日の気分や目の前の料理に合わせて、自由にお酒を選んでみてください。きっと、あなたの人生を豊かにしてくれる「お気に入りの一杯」が、新しく見つかるはずです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました