酒造りの要を徹底解説!役割・違い・味わいの秘密

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日本酒のラベルや解説でよく目にする「麹米」と「掛米」。どちらも日本酒造りに欠かせない存在ですが、その違いや役割を正確に理解している人は意外と少ないかもしれません。本記事では、「日本酒 麹 掛」をキーワードに、初心者にも分かりやすくその基礎から応用までを徹底解説。日本酒の奥深さを知り、もっと日本酒を好きになってもらえる内容をお届けします。

1. 日本酒造りに欠かせない「麹」と「掛米」とは

日本酒の主原料である米の用途分け


日本酒は、米と水、麹菌、酵母というシンプルな材料から生まれますが、その中でも「麹(こうじ)」と「掛米(かけまい)」はとても大切な役割を担っています。
「麹」とは、蒸した米に麹菌を繁殖させて作るもので、米のデンプンを糖に変える力があります。この糖が酵母によってアルコールに変わることで、日本酒が生まれるのです。麹米は全体の約2割ほど使われ、その質が日本酒の味わいを大きく左右します。

一方で「掛米」は、発酵の主役となるお米です。麹米や酒母米と一緒に醪(もろみ)という発酵中のタンクに加えられ、日本酒の約7割を占める重要な存在です。掛米は、蒸した後に冷まし、何回かに分けて醪に投入されます。これを「三段仕込み」と呼び、雑菌の繁殖を防ぎながら、発酵を安定させるための工夫です。

また、日本酒造りに使われるお米には「酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)」という特別な品種もあります。山田錦や五百万石などが有名で、これらは麹米・掛米のどちらにも使われます。お米の使い分けや品種によって、日本酒の香りや味わいは大きく変わります。

このように、麹と掛米はそれぞれ異なる役割を持ちながら、日本酒造りに欠かせない存在です。日本酒を飲むとき、ラベルに書かれた「麹米」「掛米」の表示にもぜひ注目してみてください。きっと日本酒の世界がもっと楽しく、奥深く感じられるはずです。

2. 「麹米」と「掛米」の基本的な違い

それぞれの役割と使われ方


日本酒造りに欠かせないお米には、「麹米(こうじまい)」と「掛米(かけまい)」という2つの役割があります。それぞれの名前は聞いたことがあっても、どんな違いがあるのか分かりづらいですよね。ここでは、その基本的な違いと役割について、やさしくご紹介します。

まず、「麹米」とは、蒸したお米に麹菌をまぶして増やし、「米麹」を作るために使われるお米です。麹米は全体の約2割ほど使われ、日本酒の味や香り、発酵の力を引き出すとても大切な存在です。麹菌が米のデンプンを糖に変えてくれることで、酵母が元気に働き、アルコール発酵が進みます。

一方、「掛米」は、蒸した後に適温まで冷まして、そのまま仕込みタンクに加えられるお米です。掛米は日本酒の原料米の約7割を占め、発酵の主役としてたっぷり使われます。麹米や酒母米と一緒に加えられ、醪(もろみ)という発酵中の液体を作る上で欠かせません。

このように、麹米は「糖化」のため、掛米は「発酵の主原料」として、それぞれ異なる役割を持っています。どちらも日本酒の味わいを決める大切な存在。知れば知るほど、日本酒の奥深さや造り手の工夫が感じられるようになります。ラベルに「麹米」「掛米」と書かれているお酒を見かけたら、ぜひその違いにも注目してみてくださいね。

3. 「麹米」とは何か?その役割と重要性

麹米が日本酒の味を決める理由


日本酒造りにおいて、「麹米(こうじまい)」はとても大切な存在です。麹米とは、蒸したお米に麹菌を繁殖させて「米麹」を作るために使われるお米のこと。日本酒の原料米全体の約2割ほどが麹米として使われていますが、この少しの麹米が日本酒の味わいを大きく左右します。

麹米の役割は、米のデンプンを「糖」に変えることです。お米はそのままでは発酵できませんが、麹菌がデンプンをブドウ糖に分解することで、酵母がアルコール発酵できるようになります。この「糖化」という働きがなければ、日本酒は生まれません。

さらに、麹米には「タンパク質分解酵素」も含まれていて、米のタンパク質をアミノ酸に変化させます。このアミノ酸が日本酒のコクや旨味の素となり、味わいの深さや複雑さを生み出してくれるのです。

つまり、麹米は日本酒の「味」と「香り」、そして「旨味」を決める、とても重要な役割を担っています。麹米の質や造り方によって、日本酒の個性が大きく変わるので、蔵元ごとのこだわりも強いポイントです。日本酒を選ぶとき、麹米に注目してみると、きっと新しい発見がありますよ。

4. 「掛米」とは何か?仕込みの主役

掛米が日本酒の7割を占める理由


「掛米(かけまい)」は、日本酒造りにおいてとても大切なお米です。普段あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、実は日本酒の原料米のうち、約7割を占める主役級の存在なんですよ。
掛米は、蒸したあと適温まで冷ましたお米を、発酵中の「醪(もろみ)」に加えるために使われます。麹米や酒母米と一緒に、何回かに分けて投入されるのが特徴です。この段階的に加える方法は「三段仕込み」と呼ばれ、雑菌の繁殖を防ぎながら、発酵を安定させるための知恵なんです。

掛米の役割は、発酵の主原料としてたっぷりと使われることで、日本酒のボリュームや味の土台を作ること。麹米が持つ酵素の力で、掛米のデンプンが糖に変わり、酵母がその糖を食べてアルコールを生み出します。つまり、掛米がなければ日本酒はできませんし、どんなお米を使うかでお酒の味わいも大きく変わります。

また、掛米には「酒造好適米」と呼ばれる酒造りに適した品種がよく使われます。山田錦や五百万石、雄町などが有名で、これらは精米しやすく、麹菌や酵母が働きやすい特徴があります。最近では、地域ごとの特産米を使った日本酒も増えてきて、個性豊かな味わいが楽しめます。

このように、掛米は日本酒の大部分を支えるとても大切なお米です。ラベルに「掛米」と書かれていたら、どんなお米が使われているのか、ぜひ注目してみてください。きっと日本酒選びがもっと楽しくなりますよ。

5. 酒造好適米とは?麹米・掛米に使われる米の品種

山田錦や五百万石などの代表品種


日本酒造りに欠かせないお米には、「酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)」という特別な品種があります。これは、食用米とは異なり、日本酒のために開発されたお米で、粒が大きく、中心に「心白(しんぱく)」と呼ばれる白くて柔らかい部分があるのが特徴です。この心白があることで、麹菌が米の内部までしっかり入り込みやすくなり、麹米にも掛米にもとても適しています。

酒造好適米の中でも特に有名なのが「山田錦(やまだにしき)」です。山田錦は大粒で高精米に耐えやすく、雑味が少なく、上品な味わいの日本酒ができることから“酒米の王様”とも呼ばれています。また、「五百万石(ごひゃくまんごく)」は新潟県を中心に広く使われており、スッキリとしたキレのあるお酒に仕上がるのが特徴です。

他にも、「雄町(おまち)」はふくよかでコクのある味わい、「美山錦(みやまにしき)」は繊細で軽やかな香り、「亀の尾(かめのお)」や「八反錦(はったんにしき)」など、個性豊かな品種が全国で育てられています。蔵元は目指す味わいや香りに合わせて、麹米や掛米に最適な品種を選び、丁寧に仕込みを行っています。

このように、酒造好適米は日本酒の味や香りを大きく左右する大切な存在です。ラベルに使われている米の品種が記載されていることも多いので、ぜひ注目してみてください。お米の違いを知ることで、日本酒の楽しみ方がさらに広がりますよ。

6. 日本酒造りの工程と「麹米」「掛米」の使われ方

麹造り・酒母造り・醪造りの流れ


日本酒ができるまでの道のりには、いくつもの大切な工程があります。その中で「麹米」と「掛米」がどのように使われるのかを知ると、酒造りの奥深さがより身近に感じられるはずです。

まず、日本酒造りは原料となる玄米を精米し、白米にするところから始まります。精米したお米は洗米・浸漬(しんせき)・蒸米(じょうまい)と進み、ここで「麹米」と「掛米」に分けて使われます。

麹造り(製麹)では、蒸したお米の約2割ほどが「麹米」として使われます。麹米に麹菌を繁殖させて「米麹」を作ることで、お米のデンプンを糖に変え、酒の旨味や香りのもとを生み出します。麹の出来が日本酒の品質を大きく左右するため、蔵元は温度や湿度を細やかに調整しながら、丁寧に麹を育てています。

酒母造りでは、米麹と水、酵母、乳酸菌、そして酒母用の蒸米を混ぜ合わせて、酵母をたっぷり増やします。乳酸菌が雑菌の繁殖を抑え、健全な発酵を助けてくれる大切な工程です。

醪(もろみ)造りは、いよいよ本格的な発酵の始まり。ここで「掛米」が主役として登場します。麹米・酒母・水とともに、蒸した掛米を三回に分けてタンクに仕込みます(これを「三段仕込み」と呼びます)。掛米は日本酒の約7割を占め、発酵の主原料としてたっぷり使われます。

仕込みが終わると、約1カ月かけてじっくり発酵させ、もろみを搾って日本酒と酒粕に分けます。その後、火入れや貯蔵、瓶詰めを経て、ようやく日本酒が完成します。

このように、麹米と掛米はそれぞれの工程で異なる役割を持ち、互いに補い合いながら美味しい日本酒を生み出しています。工程ごとのお米の使い方を知ることで、日本酒の世界がもっと楽しく、身近に感じられるようになりますよ。

7. 三段仕込みとは?掛米投入のタイミングと意味

段階的に掛米を加える理由


日本酒造りの中でもとても大切な工程が「三段仕込み」です。三段仕込みとは、酒母(しゅぼ)という酵母をたっぷり育てた液体に、麹米・掛米・水を3回に分けてタンクへ加えていく仕込み方法のことをいいます。この工程は4日間かけて行われ、それぞれ「初添(はつぞえ)」「仲添(なかぞえ)」「留添(とめぞえ)」と呼ばれています。

なぜ一度にすべての原料を加えないのでしょうか?それは、酵母の増殖を守りながら、雑菌の繁殖を防ぐためです。もし一気に大量の米や水を加えてしまうと、酒母の酸性が薄まってしまい、酵母の力が弱くなり、雑菌が増えやすくなってしまいます。三段仕込みは、酵母の様子を見ながら少しずつ原料を加え、発酵を安定して進めるための知恵なのです。

また、段階的に掛米を加えることで、もろみの温度管理もしやすくなり、味わいのバランスも整いやすくなります。三段仕込みは、日本酒の美味しさと安全な発酵を両立させるために生まれた、日本ならではの伝統的な技法です。

このように、三段仕込みは日本酒造りの根幹を支える大切な工程。掛米の投入タイミングや意味を知ることで、より深く日本酒の世界を楽しむことができます。お酒を飲むとき、「このお酒も三段仕込みで造られているのかな?」と想像してみるのも面白いですよ。

8. 掛米と麹米の比率が味に与える影響

配合比率による日本酒の個性


日本酒造りにおいて、掛米と麹米はそれぞれ異なる役割を持っていますが、その配合比率が日本酒の味わいに大きな影響を与えていることをご存じでしょうか。一般的に、原料米のうち約7割が掛米、残りの2~3割が麹米や酒母米として使われるのが標準的な配合です。

麹米は、麹菌を繁殖させて米麹を作るために使われ、発酵に必要な糖や酵素、旨味のもとを生み出します。一方、掛米は発酵の主原料となり、日本酒のボリュームやベースの味を支える役割があります。この比率は蔵元や目指す酒質によって微妙に調整されており、麹米の割合を多くすると、より複雑で濃厚な味わいに、掛米の割合を増やすとスッキリとした軽やかな飲み口になる傾向があります。

また、仕込みの際に使われる米の品種や精米歩合によっても、味や香りの印象が変わります。たとえば、麹米に酒造好適米を使い、掛米にはコストを抑えた一般米を使うことで、コスパの良い日本酒を造る蔵もあります。

このように掛米と麹米の配合比率や選ぶ米の種類によって、日本酒の個性や味わいの幅が大きく広がります。ラベルや蔵元のこだわりに注目しながら、自分好みの日本酒を探してみるのも楽しいですよ。

9. 掛米・麹米の選び方と蔵ごとのこだわり

原料米の選定基準やコストとの関係


日本酒造りで使われるお米には、「掛米」と「麹米」という2つの役割がありますが、どちらも蔵元ごとに選び方やこだわりが異なります。原料米の選定には、酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)と呼ばれる日本酒専用の品種がよく使われます。この酒造好適米は、粒が大きくて砕けにくく、中心に「心白(しんぱく)」という白くて柔らかい部分があり、麹菌が入り込みやすいのが特徴です。タンパク質や脂質が少なく、米が柔らかいため、麹造りや発酵にとても適しています。

麹米には、特に心白が大きく、麹菌がしっかり繁殖できるお米が選ばれることが多いです。一方、掛米は発酵の主原料としてたっぷり使われるため、コストとのバランスも考えられます。高価な酒造好適米を麹米だけに使い、掛米には地元の一般米やコストを抑えた酒米を使う蔵元も増えています。

また、最近では地域ごとのオリジナル酒米や、地元で育てた米を積極的に使う蔵も多くなっています。これは、地元の水や気候と合わせて“テロワール”を大切にし、個性ある日本酒を造りたいという蔵元の想いからです。

酒造好適米は栽培が難しく、食用米の倍近い価格になることもあります。そのため、蔵元は仕入れコストや目指す味わい、ブランドイメージなどを考慮しながら、最適な原料米を選んでいます。

このように、掛米と麹米の選び方には蔵ごとの工夫や想いが詰まっています。ラベルに記載された米の品種や産地に注目してみると、そのお酒の背景や蔵元のこだわりがより感じられるはずです。

10. ラベルの「麹米」「掛米」表示の見方

日本酒選びが楽しくなるポイント


日本酒のラベルをじっくり見たことはありますか?実は、ラベルには「麹米」や「掛米」といった原料米の情報が細かく書かれていることが多いんです。この表示を知っておくと、日本酒選びがぐっと楽しくなりますよ。

「麹米」とは、麹を造るために使われたお米、「掛米」とは、発酵の主原料として醪(もろみ)に加えられるお米を指します。日本酒造りでは、麹米が全体の2〜3割、掛米が7割ほどを占めるのが一般的です。ラベルには「山田錦(麹米)」「五百万石(掛米)」などと、品種ごとに分けて記載されていることもあります。

また、ラベルには「山田錦100%」や「麹米:山田錦、掛米:五百万石」など、使われている米の割合や詳細が書かれている場合もあります。もし「山田錦使用」とだけ書かれている場合は、全体の50%以上その品種を使っていれば表示できるというルールがあるため、すべての工程で山田錦が使われているとは限りません。

このように、ラベルの「麹米」「掛米」表示を見ることで、どんなお米がどの工程で使われているのかが分かり、酒蔵のこだわりや味わいのイメージもつかみやすくなります。気になるお酒を選ぶときは、ぜひラベルの原料米にも注目してみてください。きっと日本酒の世界がもっと身近に、そして楽しく感じられるようになりますよ。

11. 家庭で楽しむ日本酒:麹と掛米の知識を活かす

日本酒の味わい方やペアリング提案


日本酒は、麹米と掛米という2種類のお米の力が合わさって生まれる、奥深いお酒です。せっかくなら、その背景を知ったうえで、ご家庭でも日本酒の魅力をたっぷり楽しんでみませんか?

まず、日本酒は温度によって味わいが大きく変化します。冷酒(5~15℃)はすっきりとした飲み口、常温(20~25℃)ではまろやかさ、燗酒(30~60℃)にすると香りや旨味がより引き立ちます。季節や料理に合わせて温度を変えると、同じお酒でも新しい発見がありますよ。

また、日本酒はお料理とのペアリングも楽しみのひとつ。淡白な魚料理やお刺身には冷酒、煮物や焼き魚、肉料理には燗酒がよく合います。さらに、氷を入れてロックで飲んだり、炭酸水やフルーツ、緑茶で割って日本酒カクテルにアレンジするのもおすすめです。アルコールが苦手な方や初心者の方でも、飲みやすくなりますよ。

おつまみには、塩辛やチーズ、ナッツ、バニラアイスなど、意外な組み合わせも試してみてください。日本酒の味わいの幅広さを実感できるはずです。

ご自宅での日本酒タイムは、自由な発想で楽しむのが一番。麹米や掛米の違いを知ることで、ラベルを見ながら「このお酒はどんな味だろう?」と想像するのも、きっと楽しいひとときになるでしょう。自分だけのお気に入りの飲み方やペアリングを見つけて、日本酒の奥深い世界をもっと身近に感じてみてくださいね。

まとめ:麹米・掛米の理解で日本酒がもっと楽しくなる


日本酒造りには、「麹米」と「掛米」という2種類のお米が使われています。麹米は麹菌を繁殖させて米麹を作るためのお米で、全体の約2割ほどが使われます。麹米がしっかり働くことで、お米のデンプンが糖に変わり、酵母がアルコール発酵できる環境が生まれます。一方、掛米は発酵の主原料として仕込みの際に加えられるお米で、全体の7割ほどを占めています。この掛米が日本酒のボリュームや味の土台となり、麹米と掛米がバランスよく使われることで、奥深い味わいが生まれるのです。

また、使われるお米の品種や配合比率、仕込みの工夫によって、日本酒の個性や味わいの幅が大きく広がります。ラベルに書かれた「麹米」「掛米」の表示や品種をチェックすることで、そのお酒のこだわりや特徴を知ることができ、日本酒選びがもっと楽しくなります。

麹米と掛米、それぞれの役割や違いを知ることで、日本酒の奥深さや造り手の工夫がより身近に感じられるようになります。ぜひ、知識を活かして、いろいろなお酒を味わい、自分だけのお気に入りを見つけてみてください。日本酒の世界が、きっともっと楽しく、身近になるはずです。