中取りとは?初心者でも楽しめる人気銘柄と選び方を解説!

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日本酒のラベルで「中取り(なかどり)」という言葉を見たことはありませんか?これは、搾りたての日本酒の中でも、「最もおいしい」とされる、非常に贅沢で特別な部分を指します。

この言葉を知っているだけで、あなたはもう立派な日本酒通の一歩手前です!しかし、「中取りって何?」「なぜ美味しいの?」「どの銘柄を選べばいい?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、初心者の方でもその魅力を堪能できる、おすすめの中取り銘柄の選び方と、人気銘柄を厳選してご紹介します。

1. 【基本】「中取り」とは?日本酒の製造工程における特別な位置づけ

「中取り」という言葉は、日本酒の製造工程、特に最終段階である「搾り(しぼり)」の過程で生まれる特別な名称です。この工程が、お酒の味わいを決める重要なカギとなります。

搾りの工程で三つの部分に分けられる

日本酒の元となる「もろみ」(米、米麹、水を発酵させたもの)は、ドロドロとした状態です。これを圧搾機などを使ってギュッと絞り、液体のお酒(日本酒)と固体の酒粕に分ける作業が「搾り」です。

この搾りの過程で、出てくるお酒の順番によって、味わいや品質が異なる三つの部分に分けられます。

  1. あらばしり:圧力をかけ始めた時、または自然の力で最初に流れ出てくる、荒々しくフレッシュな部分です。
  2. 中取り(中汲み):あらばしりが終わり、圧力が安定した中盤に流れ出てくる部分です。この部分こそが、私たちが今回注目する「最もバランスの取れた、贅沢な部分」です。
  3. 責め:最後に、さらに圧力を強くかけて絞り出す部分です。香味に雑味や濃厚さが出やすい傾向があります。

「中取り」は、この真ん中にあたる部分だからこそ、香味のバランスが整った、クリアな酒質になるのです。この分け方を知ると、ラベルを見るのがもっと楽しくなりますね。

2. 中取りが「最も美味しい」とされる【三つの理由】

搾りたての日本酒の中でも、中取りが「最高の部分」「贅沢な部分」として特別視されるのには、明確な理由があります。それは、搾りの工程において、最も理想的な条件が揃ったタイミングで採取されるからです。

1. 理由①:安定した酒質で雑味が少ない

中取りが出る前の「あらばしり」の段階は、圧力をかけ始めたり、自然に流れ出たりするため、まだ圧搾機の中の状態が不安定です。しかし、あらばしりが終わった後の中取りのタイミングは、機械にかかる圧力が一定で安定しています。

圧力が安定することで、お酒の液中に余計な固形物(オリや酒粕の微細な破片)が混ざりにくく、雑味が少ない、クリアで透明感のある酒質が生まれるのです。

2. 理由②:香りと旨味の「絶妙なバランス」

あらばしりには荒々しい若さやガス感が、責めには濃厚さや雑味が際立ちやすい傾向があります。

それに対し、中取りは、華やかな香り米由来のまろやかな旨味が、どちらも突出することなく、最も美しく調和した状態になります。まさに、蔵元が目指したお酒の個性が、最も素直に、上品に表現される部分なのです。

3. 理由③:蔵元が「この酒の個性を最もよく現している」と認める部分

多くの蔵元は、自分たちの酒の品質を競う品評会や鑑評会に出品する際、この中取り部分を選びます。それは、この部分が、そのお酒の持つポテンシャルと個性を最大限に示していると、プロが認めているからです。

中取りのラベルを見つけたら、「これは蔵元が自信を持って勧める、その酒の一番良い顔なのだ」と思って間違いありませんよ。

3. 「あらばしり」「中取り」「責め」の違いと味わいの特徴

日本酒の搾りの工程で生まれる三つの部分には、それぞれ全く異なる個性があります。この違いを知ることで、あなたは日本酒の味わいの奥深さをさらに楽しめるようになりますよ。

あらばしり:若さと勢いのフレッシュさ

  • 出てくるタイミング:圧搾機に醪(もろみ)をセットした直後、自然に、あるいは弱い力で最初に少量流れ出てくる部分です。
  • 味わいの特徴:まるで搾られたばかりの勢いをそのまま閉じ込めたような、フレッシュで荒々しい若さが特徴です。口に含むと、わずかにピチピチとしたガス感や、米の成分が溶けきっていないことによるかすかな渋みや苦味を感じることがありますが、それも魅力の一つです。力強く生き生きとした味わいを楽しみたい方におすすめです。

中取り(中汲み):バランスの良さと上品さ

  • 出てくるタイミング:あらばしりが終わり、圧力が安定した中盤です。
  • 味わいの特徴:中取りは、三つの部分の中で最もクリアで雑味が少なく、お酒の香味のバランスが理想的に取れています。口当たりは滑らかで、香りが穏やかに広がり、上品で洗練された味わいが特徴です。蔵元が目指した最高の品質を味わいたいなら、これを選びましょう。

責め:濃厚さと個性的な深み

  • 出てくるタイミング:最後に、圧搾機で強い力をかけて絞り出す部分です。
  • 味わいの特徴:強い圧力をかけることで、酒粕に近い成分まで絞り出されるため、濃厚で力強い味わいになりやすいのが特徴です。また、渋みや苦味などの雑味も出やすいため、個性や複雑な深みを好む、上級者の方に愛されることが多い部分です。

この三つを飲み比べると、日本酒の奥深い多様性を実感できますよ。

4. 中取りの価格はなぜ高い?「希少性」と「手間」の価値

中取りは、その品質の高さから、一般的なお酒や、同じロットの「あらばしり」「責め」と比べて、価格が高めに設定されていることが多いです。この価格には、二つの明確な価値が込められています。

希少性が生む価値:わずかな量しか取れない真ん中

中取りが価格が高くなる最大の理由は、その「希少性」にあります。

搾りの全工程を通じて、最も酒質が安定し、雑味が少ないクリアな部分として取り出せる中取りの量は、全体のごくわずかな割合しかありません。

例えば、醪全体から絞り出されるお酒のうち、中取りとして取れるのは全体の半分にも満たない量です。蔵元は、理想のバランスが取れていると判断した、本当に良い部分だけを厳選して中取りとして分けているため、必然的に出荷できる本数が限られてしまい、希少価値が高くなるのです。

蔵元の「手間」と「こだわり」への対価

もう一つは、蔵元が意図的に品質の良い部分だけを選り分けているという「手間」の価値です。

  • 選別作業:搾り機から流れ出るお酒を、蔵人は常にテイスティングしながら、「今が中取りの始まりだ」「ここから責めに入る」と、微妙なタイミングでタンクを切り替えるという、非常に神経を使う作業をしています。
  • 品質維持:中取りとして出荷するものは、他の部分と混ぜることなく、最高の品質を保つための細心の注意が払われています。

中取りは、単なるお酒ではなく、蔵元の職人技と手間ひま、そして最高の味を届けたいという強いこだわりが詰まった証なのです。この価値を理解すると、少々価格が高くても、その一杯の重みが違って感じられますよ。

5. 【初心者向け】中取りの選び方:まずは「純米吟醸」から

「中取り」は贅沢な部分であることは分かったけれど、種類がありすぎてどれを選べばいいか分からない、という方もいるかもしれませんね。初心者の方が失敗なく、中取りの魅力を堪能できる二つの選び方をご紹介します。

選び方①:特定名称酒は「純米吟醸」で絞る

中取りとして出荷されるお酒は、蔵元が特に力を入れたハイクオリティな銘柄であることが多いため、特定名称酒に注目して選ぶのがおすすめです。

特に、純米吟醸(じゅんまいぎんじょう)や大吟醸(だいぎんじょう)の中取りは、初心者の方にも自信をもっておすすめできます。

  • 純米吟醸・大吟醸の魅力:これらは米をよく磨き、低温でじっくりと時間をかけて造られるため、華やかなフルーティな香りクリアで雑味のない味わいが特徴です。中取りの持つバランスの良さが最大限に引き出され、日本酒の入門としても最適です。

選び方②:フレッシュさか、バランスか「生酒・火入れ」で選ぶ

ラベルに記載されている「生酒(なまざけ)」か「火入れ(ひいれ)」か、という情報も、味わいを決める重要なポイントです。

  • 生酒の中取り:熱処理をしていないため、しぼりたてのフレッシュなガス感や、生き生きとした若々しい風味が楽しめます。「あらばしり」のフレッシュさと、「中取り」のクリアさを両方味わいたいならこちらを選びましょう。
  • 火入れの中取り:熱処理を行うことで、味わいが落ち着き、よりバランスが取れた滑らかで上品な酒質になります。中取りの持つ繊細な香味が安定し、ゆっくりと時間をかけて飲みたい方におすすめです。

まずは「純米吟醸」の「火入れ中取り」から試して、その上品なバランスの良さを知ると、さらに中取りの世界が広がるはずですよ。

6. 中取りの魅力を最大限に引き出す【最適な温度帯】

中取りは、その繊細でバランスの取れた味わいが魅力だからこそ、温度帯にも少し気を配ることで、その美味しさが格段にアップします。最もおすすめなのは、冷やして飲むスタイルです。

 最適なのは「冷酒(花冷え)」

中取りは、華やかな吟醸香とクリアな飲み口が特徴です。この繊細な風味を最大限に引き出すためには、少し低めの温度でいただくのが最適です。

  • 冷酒で際立つクリアさ:冷やすことで、中取り特有の雑味のないクリアな舌触りが際立ちます。また、アルコールや酸味が引き締まり、より爽快で上品な口当たりになります。
  • 香りがふんわりと:低温で飲むことで、華やかな香りが閉じ込められすぎず、グラスを近づけたときにふんわりと立ち上がるような、心地よい吟醸香を楽しめます。

冷やしすぎは厳禁!「花冷え」程度の優しい冷やし方

ただし、キンキンに冷やしすぎるのはおすすめできません。冷蔵庫の一番奥で長期間冷やしすぎると、香りが完全に閉じてしまい、せっかくの繊細な風味を感じにくくなってしまうからです。

中取りに最適なのは、「花冷え(はなひえ)」と呼ばれる、冷蔵庫から出して少し時間が経ったくらいの温度です。

飲む直前に冷蔵庫から出し、少しだけ室温に馴染ませることで、お酒が持つバランスの良さが一層際立ちます。中取りの贅沢な味わいを、ぜひこの優しい冷やし方で楽しんでみてくださいね。

7. 日本酒 中取り おすすめ銘柄【華やかな吟醸香を楽しむ】

中取りの中でも特に初心者の方におすすめしたいのは、「華やかな吟醸香」が特徴の銘柄です。日本酒のフルーティな魅力をストレートに感じさせてくれるタイプで、ワインのような感覚で楽しむことができます。

華やかな香りが魅力の銘柄の選び方

このタイプの銘柄は、特定の地域や系統を持つ有名蔵から多く生まれています。

  • 地域の特徴:例えば、吟醸造りが得意な地域のお酒や、フルーティさを重視する蔵元の銘柄は、華やかな香りが際立っています。ラベルに「大吟醸」や「純米吟醸」と書かれていることを確認しましょう。
  • 香りの表現:ラベルの説明に、「リンゴ」や「バナナ」「メロン」のような果実を連想させる表現が使われていたら、それが華やかな香りのサインです。

飲み口の優しさとクリアな後味を重視

中取りは、ただ香りが強いだけでなく、バランスの良さが重要です。華やかな香りを楽しみつつ、飲み口が優しく、後味がクリアに切れる銘柄を選ぶと、飽きずに美味しく飲むことができます。

  • 優しさのヒント:米をよく磨いているお酒(精米歩合の数字が小さいお酒)を選ぶと、雑味が少なく、クリアで優しい口当たりになります。
  • 清涼感:冷蔵庫から出して少し置いた「花冷え」で飲むことで、その清涼感がさらに引き立ちます。

華やかな吟醸香の中取りは、日本酒の持つおしゃれで洗練された側面を教えてくれます。ぜひ、あなたの好きな香りの一本を探してみてくださいね。

8. 日本酒 中取り おすすめ銘柄【米の旨味とコクを重視する】

中取りの魅力は、華やかな香りだけではありません。特に米どころの蔵元が手掛ける銘柄には、米の持つ豊かな旨味とコクが、クリアな中取りの酒質に見事に表現されているものがあります。

旨味を引き出す銘柄の選び方

米の旨味をしっかりと感じたい場合は、次のような特徴を持つ中取りを探してみましょう。

  • 地域の特徴:例えば、良質な酒米の産地として知られる地域のお酒や、伝統的な製法を守り、米の風味を大切にしている蔵元の銘柄がおすすめです。
  • 特定名称のヒント「純米」や「特別純米」といった、醸造アルコールを添加しないタイプの中取りは、米のふくよかな味わいがよりストレートに感じられます。

コクとキレのバランスが重要

米の旨味やコクが豊かな中取りは、ただ味が濃いだけでなく、後味のキレが良いことが大切です。中取りは搾りの真ん中の部分であるため、旨味が濃い中でも、責めのように雑味が出すぎることがなく、後口がスッキリと締まるバランスの良さを持っています。

この「濃いけれど、キレが良い」という絶妙なバランスこそが、食中酒としても飽きずに楽しめる理由です。旨味を追求する中取りは、料理との相性も抜群です。

華やかな香りのタイプと比較して、より深いコクと、日本酒らしい米の魅力を感じたい方は、ぜひこのタイプの「濃醇(のうじゅん)」な中取りを選んでみてくださいね。

9. 中取りをさらに美味しく!最高のペアリング(料理)のコツ

中取りは、そのクリアな酒質と、香味のバランスの良さが最大の魅力です。せっかく選んだ贅沢な一本を、さらに美味しく楽しむためには、料理との「相性(ペアリング)」が非常に重要になります。

繊細な味わいを活かす「引き算」のペアリング

中取りの繊細な風味を消さないように、料理は「引き算」で考えるのがコツです。つまり、味が濃すぎる料理ではなく、素材の味を活かしたシンプルな味付けの料理と合わせましょう。

  • おすすめの料理:例えば、白身魚のお刺身(特にタイやヒラメなど淡白な魚)は、中取りのクリアな口当たりと完璧に調和します。また、鶏むね肉の塩焼きや、湯葉、豆腐などの素材の味が中心の料理もおすすめです。
  • ポイント:料理の味付けを醤油やタレなどで濃くしすぎず、塩や柑橘類など、あっさりとした風味でまとめることで、中取りの持つ上品な吟醸香や米の旨味が引き立ちます。

「温度」を連動させる連動のヒント

お酒と料理の温度を意識的に合わせることで、一体感が生まれ、美味しさが倍増します。

  • 冷酒の中取りには冷たい料理を:冷酒で楽しむ中取りには、冷製のおひたしや、和え物冷たい前菜などがよく合います。口の中で温度差がないため、互いの風味がスムーズに馴染みます。
  • 常温の中取りには温かい料理を:もし常温(ひや)で飲む中取りなら、出汁の優しいお吸い物や、人肌程度の茶碗蒸しなど、温かい料理と合わせると、お酒の持つ米のまろやかさが引き出されます。

中取りの持つクリアで上品な味わいを、ぜひこれらのペアリングのコツで最大限に引き出して、贅沢な食卓を楽しんでくださいね。

10. 「中取り」を名乗れるのはいつまで?熟成による味わいの変化

中取りは、しぼりたての状態が最もクリアで美味しいと思われがちですが、実は時間が経つことで生まれる新たな魅力があります。「中取り」という名称は、搾った瞬間の部分を指すため、瓶に詰めて出荷された後もずっと「中取り」として名乗り続けます。

熟成によって生まれる「まろやかさ」と「深み」

中取りの大きな特徴は、もともと香味のバランスが非常に良いことです。この優れたバランスは、熟成が進む過程でも保たれやすいという利点があります。

  • しぼりたての魅力:しぼりたての中取りは、クリアでフレッシュな風味が際立ちます。
  • 熟成後の魅力:これを数ヶ月、または数年と適切な環境で貯蔵(熟成)させると、カドが取れて味がまろやかになり、より深いコクや落ち着いた香りが生まれてきます。例えるなら、フレッシュな果実が、ドライフルーツのような熟成した風味に変わるようなイメージです。

理想的なバランスを保ったまま変化する

あらばしりや責めといった、バランスが崩れやすい部分に比べて、中取りは熟成させても品の良いまとまりが失われにくいのが利点です。

もし、お気に入りの蔵元の「中取り」を見つけたら、すぐに飲むものと、数か月後に飲むものを分けてみるのも楽しい飲み方です。時間の経過とともに、味わいがゆっくりと変化していく様子を楽しむことができるのは、中取りならではの贅沢な経験ですよ。

まとめ

この記事では、「中取り」というキーワードから、その定義、美味しさの秘密、そして初心者の方でも楽しめる選び方までを徹底的に解説しました。

最後に、中取りを選ぶ際に思い出してほしい大切なポイントを振り返りましょう。

  1. 中取りは「最もバランスの良い部分」:中取りは、日本酒を搾る過程で、最も安定した状態で取り出される、雑味が少なく、香り・旨味のバランスが最高の部分を指します。蔵元が自信を持っておすすめする、特別な味わいです。
  2. 選び方は「特定名称」と「火入れ」が鍵:まずは華やかでクリアな純米吟醸大吟醸の中取りから試すのがおすすめです。また、フレッシュさを楽しむなら生酒、落ち着いたバランスの良さを楽しむなら火入れを選びましょう。
  3. 温度とペアリングでさらに美味しく:冷やしすぎない「花冷え」で飲むことで、その繊細な香味が最大限に引き立ちます。また、料理は白身魚など素材の味を活かしたシンプルなものと合わせるのが、中取りの魅力を高めるコツです。

中取りは、蔵元の手間と技術、そして最高の味わいを追求するこだわりが詰まった、非常に贅沢な日本酒です。

この記事で得た知識を活かして、ぜひ次の晩酌には中取りを選んでみてください。そのクリアで上品な味わいが、きっとあなたの日本酒ライフをさらに豊かなものにしてくれるはずですよ。