新潟 ワイン カーブドッチ:風土を反映した個性豊かなワインの魅力
新潟県のワイン産地の中でも特に注目される「カーブドッチワイナリー」は、独特な風土と先進的なワイン造りで多くのファンを魅了しています。海に近く砂質土壌に囲まれた角田浜の地で育まれるブドウは、華やかな香りと繊細な味わいが特徴です。本記事では、カーブドッチのワインの特徴、栽培環境、ラインナップ、そして訪問情報まで詳しく解説し、新潟ワインの魅力をお伝えします。
1. カーブドッチワイナリーの歴史と特徴
カーブドッチワイナリーは1992年に新潟県の海沿い、角田浜に設立されました。当時はまだ「日本ワイン」という概念も浸透していない時代で、新潟県はワイン未開の地でした。しかし、「本物のワインを日本で造りたい」という強い志を持った創業者の落希一郎氏や掛川千恵子氏らによって、この地に広大なぶどう園が開かれました。
カーブドッチは国産の生ぶどう100%、欧州系品種100%にこだわり、自社畑で栽培を始めて以来、新潟の特異な砂質土壌と海風が育む独特のテロワールを活かしたワイン造りを目指しています。砂地でのぶどう栽培には苦労が伴いましたが、2005年にアルバリーニョという白ブドウ品種を植えることで風土に適した芳醇で繊細なワインの基礎を築きました。
また、日本におけるワイナリーツーリズムの先駆けとして、レストラン・宿泊施設・温泉・ショップを併設し、「新潟ワインコースト」の中心地として地域の魅力を発信しています。創業当初から自家醸造と地域活性化を掲げる姿勢は、今なお高い評価を得ています。
2. 新潟角田浜の砂質土壌と気候の影響
カーブドッチワイナリーがある新潟市西浦区角田浜は、ワイン造りにとても適した砂質土壌が特徴です。この砂地は水はけが非常に良く、ブドウの根が深く伸びやすいため健康的な成長を促します。一方で栄養分は少ないため、毎年堆肥を入れるなどの手入れを欠かさず土壌づくりを行っています。
また、角田浜は日本海に近いため、年間を通じて海からの西風が吹き込み、病気の発生を抑制しています。冬の積雪はほとんどなく、高い湿度がぶどうの樹や芽を守る自然環境も整っています。夏は熱がよく蓄積し、降雨が少ないためブドウの成長に理想的な条件が揃っています。
このような気候と土壌の恩恵が、カーブドッチワインの繊細で軽やかな味わい、豊かな香りを生み出しています。まさにこの土地の風土がワインの個性となって息づいているのです。
3. 代表的な品種とワインの個性
カーブドッチワイナリーは、多彩な品種を育てており、その中でもとくに白ブドウのアルバリーニョが有名です。アルバリーニョはスペインやポルトガルの海沿いで育つ品種で、海の影響を受けた砂地の土壌と相性が良く、華やかで軽やかな味わいが特徴です。この品種は新潟の冷涼な気候と砂地の土壌にマッチし、独特の香りと味わいを生み出します。
また、カーブドッチでは、カベルネ・ソーヴィニヨンやピノ・ノワール、メルローも栽培され、それぞれの品種が持つ個性を最大限に引き出すため、土地の特性を活かした栽培・醸造を行っています。多種多様な品種を育て、フランスのテロワールを模範にしながらも、日本の風土に合う最高のワインづくりに取り組んでいます。
4. 「セパージュシリーズ」とは?
カーブドッチワイナリーの「セパージュシリーズ」は、品種の特性とテロワール(土地の個性)をそのままストレートに表現することを目指したワインシリーズです。セパージュとはフランス語で「品種」を意味し、このシリーズはワイン造りの王道を行くものとして、ぶどう品種の個性や土地の風土、そしてヴィンテージの特徴を丁寧にボトルに詰め込むことを追求しています。
このシリーズの特徴は、カーブドッチの砂質土壌の影響がもたらす「華やかさ」と「軽やかさ」を感じられることです。たとえば、代表的な銘柄「サブル」はフランス語で「砂」を意味し、砂地特有の味わいを最大限に表現したフラッグシップワインです。白ワインはアルバリーニョを主体に、繊細でみずみずしい香りとコクを楽しむことができます。
セパージュシリーズは、作り手が伝統と歴史を尊重しつつ、新潟の独自の土壌の個性を世界に示すための重要なコレクションであり、クラシック音楽にたとえられるように「変わらぬ品質」と「繊細な表現力」を兼ね備えています。
5. ワインの香りと味わいの特徴
カーブドッチワイナリーのワインは、特に樽熟成されたシャルドネが人気です。自社畑で収穫されたシャルドネは、樽とステンレスの両方で発酵・熟成され、複雑な味わいを作り出しています。樽熟成由来のバニラやナッツのような香りと、果実の爽やかさが調和しているのが特徴です。味わいは程よい酸味が全体を引き締め、軽やかでありながらもふくよかさを感じられます。温度を変えて飲むことで、より豊かな風味の変化を楽しめます。
赤ワインはベリー系の果実味に加え、ミントやハーブの爽やかさが感じられ、適度な力強さと上品な酸味がバランス良く調和しています。砂質土壌による繊細さがワイン全体に軽やかな印象を与えつつ、しっかりとした骨格も持ち合わせています。
このようにカーブドッチのワインは、土地の個性と醸造家のこだわりが生み出す、華やかで繊細な香りと味わいが魅力です。
6. 醸造家の哲学とこだわり
カーブドッチワイナリーの醸造責任者、掛川史人さんは、幼少期から農業に親しみ、その延長線上でワイン造りに強い情熱を持つ人物です。高校卒業後にフランス・ブルゴーニュでワイン造りを学び、日本に帰国後にカーブドッチに参加。以来、醸造の最前線で新潟のテロワールを生かしたワイン造りに取り組んでいます。
掛川さんは、環境保全や減農薬に努めるだけでなく、土壌や微生物の力を活用する独自の技術革新にも挑んでいます。砂質土壌の特性を最大限に活かし、品種の個性を素直に表現したやさしい味わいのワインを生み出すことを目指しているのです。
また、掛川さんはワイン造りを「自由で楽しいもの」と捉え、飲み手と造り手がつながる場を大切にしています。ワイナリーの「滞在型施設」や地域との連携を通じて、訪れる人たちにワインだけでなく、地域の魅力も伝え続けています。
このような掛川さんの哲学と情熱が、カーブドッチワインの高い品質と個性を支えていると言えるでしょう。
7. カーブドッチの3つのラインナップ紹介
カーブドッチワイナリーのワインは大きく3つのシリーズに分かれており、それぞれに異なるコンセプトと魅力があります。
- セパージュシリーズ
このシリーズは「テロワール(土地の個性)と品種の個性を表現するワイン造り」を追求しています。フラッグシップワインの「サブル」は、「砂」を意味し、角田浜の砂質土壌由来の華やかで軽やかな味わいを特徴としています。品種ごとの特性を丁寧に表現し、伝統的で王道のワインを目指すシリーズです。 - どうぶつシリーズ
醸造家の掛川史人さんが自由気ままに楽しみながら造るシリーズで、独創的な醸造法によって個性豊かな味わいが生まれます。ラベルには動物のイラストが描かれ、親しみやすくも個性的なワインが揃います。 - ファンピーシリーズ
よりカジュアルでライトな味わいを楽しみたい方向けのシリーズです。普段使いしやすく、ワイン初心者から幅広い層に親しまれています。
これら3つのシリーズは、それぞれ異なる魅力を持ちながらも、共通してカーブドッチ独自の風土が感じられるワインとして高く評価されています。
8. ワイナリーの観光施設と体験プログラム
カーブドッチワイナリーは、新潟ワインコーストの中心地として幅広い観光施設と体験プログラムを提供しています。敷地内にはレストランやホテル、温泉施設、そしてワインショップがあり、訪れる人はワインと地域文化の両方をじっくり楽しむことができます。
ワイナリー見学ツアーでは、ぶどう畑や醸造所の見学、樽庫やセラーの内部見学も可能です。テイスティングでは、自園栽培のぶどうを使った多彩なワインを少量ずつ試せるため、初心者でも気軽に楽しめます。さらに、ワインに合わせた地元食材を使った料理を味わえるレストランは、ゆったりした時間を過ごすのに最適です。
また、宿泊施設「ヴィネスパ」は、天然温泉を備えたスパで、角田山や庭園の眺望を楽しみながら過ごせます。一泊してゆっくり滞在し、ワイン造りの魅力と新潟の自然を全身で感じられる環境が整っています。
体験重視のワイン好きにも、リラックスして過ごしたい観光客にも、カーブドッチは多彩な楽しみを提供しているワイナリーです。
9. カーブドッチワインの楽しみ方ガイド
カーブドッチのワインは温度変化を楽しみながら香りの変化を感じることがとてもおすすめです。白ワインはやや冷やして飲むことで爽やかな酸味と華やかな香りが際立ち、赤ワインは少し温度を上げるとベリーやミントの豊かなニュアンスが広がります。特に軽やかで飲みやすいため、日本酒好きの方にも親しみやすい味わいです。
また、料理とのペアリングを通してワインの魅力をさらに引き出すことができます。軽やかな白ワインは魚介を中心に、赤ワインは肉料理やチーズとの相性が良く、食事との調和が楽しめます。訪問客はワイナリーツアーや試飲体験を通じて、ワイン造りのストーリーや土地の風土を感じながら、自分だけのお気に入りを見つけることができます。
ワイン初心者も気軽に楽しめる環境が整っているので、気軽に訪れて新潟ワインの魅力を感じてみてください。
10. 新潟ワインコーストとしての地域連携
カーブドッチワイナリーは、新潟ワインコーストの中心的な存在として、周辺のワイナリーと深く連携しながら地域のワイン産業を盛り上げています。1990年代初頭にまだ未開発だった新潟の角田浜周辺でワイナリーを設立して以来、カーブドッチは自社のぶどう栽培とワイン造りに留まらず、地域のワイン文化の発展と観光活性化に力を注いできました。
カーブドッチが創設したワイナリー経営塾などの取り組みを通じて、多くの後続のワイナリーが誕生し、新潟ワインコーストと呼ばれるワイン産地が形成されました。これにより地域全体のブランド力が高まり、国内外からも注目を集める一大ワイン観光エリアへと成長しています。
地域のワイナリーが連携して開催するワインフェスタや試飲会、イベントは、新潟の自然風土とワインの魅力を幅広い人々に伝え、地域経済やコミュニティの活性化にも貢献しています。今後もカーブドッチをはじめとした新潟ワインコーストのワイナリーは、持続可能な形で地域と共に歩み、産地の新たな価値を創造していくことでしょう。
11. カーブドッチワインの購入方法と人気銘柄
カーブドッチワイナリーのワインは、オンラインショップや新潟県内の販売店で手軽に購入できます。公式サイトのオンラインストアでは、定番の「セパージュシリーズ」をはじめ、多彩なラインナップが揃い、産地直送の新鮮なワインが自宅に届けられます。
人気銘柄としては、樽熟成による香ばしい香りと豊かなコクが楽しめる「樽熟成シャルドネ」が挙げられます。また、ブランドの顔ともいえる「サブル」は、角田浜の砂質土壌を反映した華やかで軽やかな味わいが特徴です。どちらもワイン愛好家から高く評価されています。
県内のワインショップや百貨店でも取り扱いがあるため、試飲や店頭での相談も可能です。季節に合わせたギフトセットも充実しており、大切な方への贈り物にも適しています。
初めての方は、オンラインの情報や評価を参考にしつつ、実際にワイナリーや店舗を訪れて体験することもおすすめです。
まとめ
カーブドッチワイナリーは、新潟の独特な風土と挑戦的なワイン造りを背景に、繊細で奥深いワインを生み出しています。砂質土壌に由来する軽やかで華やかな香りと、それぞれの品種が表現する個性を楽しみながら、新潟ワインの世界をじっくり味わってみてください。
1992年の創業以来、カーブドッチは「国産生ぶどう100%」「欧州系品種100%」という厳しい基準を掲げ、角田浜の砂地ならではのテロワールを活かしたワイン造りに挑んできました。代表的な品種のアルバリーニョは、特にその土地に合う白ブドウとして高評価を得ています。
また、掛川史人氏をはじめとする醸造家たちが、環境保全や減農薬、微生物の活用などに取り組みながら、土地の味わいを表現するワイン造りを行っています。併設施設ではレストランや温泉、宿泊施設もあり、滞在型のワイナリーとして地域の魅力を発信し続けています。
ワインは温度変化による香りの変化を楽しんだり、料理とのペアリングでさらなる美味しさを体験したりと、様々な楽しみ方ができます。地域のワイナリーと連携したイベントや観光が盛んで、新潟ワインコーストとしてのブランド力も高まっています。
購入はオンラインショップや県内の販売店で可能で、人気銘柄「樽熟成シャルドネ」や「サブル」は特におすすめです。初心者から愛好家まで幅広く支持されている新潟のカーブドッチワイン、ぜひその風土と個性豊かな味わいを体験してみてください。








