吟醸酒 純米酒 違い|原料・製法・味わい・選び方ガイド

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日本酒を選ぶとき、「吟醸酒」と「純米酒」の違いが分からず迷った経験はありませんか?どちらも人気の高い特定名称酒ですが、原料や製法、香りや味わいに明確な違いがあります。この記事では、「吟醸酒 純米酒 違い」をキーワードに、初心者にも分かりやすく両者の特徴や選び方、楽しみ方まで詳しく解説します。自分の好みに合った日本酒選びの参考にしてみてください。

1. 吟醸酒と純米酒の基本的な違いとは?

吟醸酒と純米酒は、どちらも日本酒の特定名称酒に分類されますが、原料や製法、そして香りや味わいに大きな違いがあります。まず原料面では、純米酒は「米・米麹・水」だけを使い、醸造アルコールを一切加えません。そのため、米本来の旨味やふくよかなコクが感じられるのが特徴です。一方、吟醸酒は「米・米麹・水」に加えて、香りや味わいを調整するために醸造アルコールを少量添加します。

さらに、吟醸酒は精米歩合60%以下の米を使い、低温で長期間発酵させる「吟醸造り」という特別な製法で造られます。この吟醸造りによって、フルーティーで華やかな香り(吟醸香)と、すっきりとした淡麗な味わいが生まれます。一方、純米酒は精米歩合70%以下が一般的で、米の旨味やコクをよりしっかり感じられる、比較的濃醇なタイプが多いです。

まとめると、吟醸酒は「アルコール添加+吟醸造りによる香りと淡麗さ」、純米酒は「米だけで造る旨味とコク」が大きな違いです。どちらも日本酒の魅力を楽しめるので、シーンや好みに合わせて選んでみてください。

2. 原料の違い:醸造アルコールの有無

吟醸酒と純米酒の大きな違いは、その原料にあります。吟醸酒は「米・米麹・水」に加えて、香りや味わいを調整するために「醸造アルコール」を少量加えて造られます。この醸造アルコールは、サトウキビやトウモロコシなどから造られる高純度のアルコールで、日本酒の香りを引き立てたり、すっきりとした飲み口に仕上げる役割を持っています。

一方、純米酒は「米・米麹・水」だけを原料とし、醸造アルコールを一切使用しません。そのため、米本来の旨味やコクがよりしっかりと感じられるのが特徴です。純米酒は、素材の良さや蔵の個性がストレートに表れるため、米の風味をじっくり味わいたい方におすすめです。

このように、吟醸酒は醸造アルコールを加えて華やかな香りや軽やかな味わいを楽しむお酒、純米酒は米だけで造ることで深いコクと旨味を楽しむお酒、といった違いがあります。どちらもそれぞれの魅力があるので、シーンや好みに合わせて選んでみてください。

3. 精米歩合の違い

吟醸酒と純米酒の違いを語る上で欠かせないのが「精米歩合」です。精米歩合とは、玄米から表層部を削り取った後に残るお米の割合をパーセントで表したものです。たとえば精米歩合60%であれば、玄米の40%を削り、60%が残った状態を指します。

吟醸酒は、この精米歩合が60%以下と定められています。つまり、より多くお米を磨くことで、表層に多く含まれるたんぱく質や脂質、灰分などの雑味成分を減らし、クリアで華やかな香りや味わいを引き出しています。さらに米を磨いた精米歩合50%以下のものは「大吟醸酒」と呼ばれ、より繊細で上品な味わいが楽しめます。

一方、純米酒はかつて精米歩合70%以下が基準でしたが、現在は醸造技術の進歩により、精米歩合の規定がなくなっています。そのため、純米酒の中にも吟醸酒並みに磨かれたものから、米の旨みやコクをしっかり残したものまで幅広いタイプがあります。

精米歩合が低い(=あまり磨かれていない)純米酒は、米の旨味やコクが強く、どっしりとした味わいが特徴です。一方、精米歩合が高く(=よく磨かれている)吟醸酒は、雑味が少なく、フルーティーでスッキリとした飲み口が魅力です。

このように、精米歩合の違いが吟醸酒と純米酒の味わいや香りに大きく影響しています。ラベルに記載された精米歩合をチェックすることで、お酒選びの参考になりますよ。

4. 製法の違いと吟醸造り

吟醸酒と純米酒の違いは、製法にも大きく表れます。特に吟醸酒は「吟醸造り」と呼ばれる特別な製法で造られているのが特徴です。吟醸造りとは、精米歩合60%以下までしっかりと米を磨き、5~10度ほどの低温で30日以上かけてじっくりと発酵させる方法です。この低温長期発酵によって、フルーティーで華やかな香り(吟醸香)と、クリアで雑味の少ないすっきりとした味わいが生まれます。

一方、純米酒は米・米麹・水のみを原料とし、一般的な発酵温度で造られるため、米の旨味やコクがしっかりと感じられる、比較的濃醇なタイプが多いのが特徴です。吟醸酒のような華やかな香りは控えめですが、素材の良さや蔵ごとの個性がストレートに表れます。

吟醸造りは手間と時間がかかる分、繊細で上品な味わいを実現できるため、特別な日の一杯や贈り物にもぴったりです。どちらも日本酒の魅力が詰まっていますので、気分や好みに合わせて選んでみてください。

5. 香りと味わいの違い

吟醸酒と純米酒は、香りや味わいにもはっきりとした違いがあります。吟醸酒の大きな特徴は、フルーティーで華やかな香りです。この香りは「吟醸香」と呼ばれ、リンゴやメロン、バナナのような果実を思わせる香りがふわっと広がります。吟醸酒は低温でじっくり発酵させる吟醸造りによって、雑味が少なく、すっきりとした淡麗な味わいに仕上がります。そのため、口当たりが軽やかで、上品な余韻が楽しめるのが魅力です。

一方、純米酒は米・米麹・水だけで造られているため、米本来の旨みやコク、ふくよかさが際立ちます。香りは吟醸酒ほど華やかではありませんが、どこか甘くて奥深いお米の香りが感じられ、味わいも濃醇でしっかりとしています。純米酒は、しっかりとした旨みとコクを楽しみたい方や、食事と一緒に味わいたい方におすすめです。

このように、吟醸酒は「香りとすっきり感」、純米酒は「旨みとコク」が際立つお酒です。どちらも日本酒の魅力を存分に味わえるので、ぜひシーンや好みに合わせて選んでみてください。

6. 純米吟醸酒・大吟醸酒との関係

吟醸酒や純米酒の中には、さらに特別な製法や精米歩合で造られる「純米吟醸酒」や「大吟醸酒」といった種類もあります。純米吟醸酒は、純米酒の中でも精米歩合60%以下のお米を使い、吟醸造り(低温で長期間発酵させる製法)で仕上げたものです。原料は米・米麹・水のみで、醸造アルコールは一切添加されません。そのため、米本来の旨味やコクに加え、吟醸造り特有の華やかな香りやすっきりとした味わいが楽しめます。

一方、大吟醸酒は、吟醸酒よりもさらに米を磨き上げ、精米歩合50%以下のお米を用いて造られます。大吟醸酒は、吟醸酒と同じく吟醸造りで造られますが、原料に醸造アルコールを加える場合もあります。純米大吟醸酒は、米・米麹・水のみで造られる点が特徴で、こちらも精米歩合50%以下が条件です。

まとめると、純米吟醸酒は「純米酒+吟醸造り+精米歩合60%以下」、純米大吟醸酒は「純米酒+吟醸造り+精米歩合50%以下」、そして大吟醸酒は「吟醸酒+精米歩合50%以下」となります。どちらも手間ひまかけて造られるため、華やかな香りと繊細な味わいが特徴です。ぜひ飲み比べて、自分の好みを見つけてみてください。

7. 吟醸酒・純米酒のおすすめの飲み方

吟醸酒と純米酒は、その特徴を最大限に引き出す飲み方を知ることで、より美味しく楽しむことができます。

吟醸酒は、低温でじっくり発酵させる吟醸造りによって生まれるフルーティーで華やかな香りが魅力です。この香りをしっかりと感じるためには、冷やして飲むのがおすすめです。特に10~15度ほどの「花冷え」や、15~20度の「涼冷え」と呼ばれる温度帯が最適とされています。冷やすことで吟醸香が引き立ち、すっきりとした味わいがより感じられます。

一方、純米酒は米の旨みやコクがしっかりと感じられるのが特徴です。純米酒はさまざまな温度帯で楽しめますが、特に常温やぬる燗(40~45度)で飲むと、米の甘みやふくよかさがより一層引き立ちます。ぬる燗にすることで、アルコールの刺激が和らぎ、体にも優しい飲み口になります。

また、どちらのお酒も一口ずつゆっくりと味わいながら飲むことで、香りや余韻をじっくり楽しむことができます。初心者の方やお酒が弱い方は、水割りやお湯割り、ソーダ割りなどでアレンジしてみるのもおすすめです。

それぞれの日本酒の個性を活かした飲み方を試しながら、自分にぴったりの楽しみ方を見つけてみてください。

8. 料理とのペアリング

吟醸酒と純米酒は、それぞれ相性の良い料理が異なります。吟醸酒はフルーティーで華やかな香りと、すっきりとした味わいが特徴です。そのため、繊細な和食や洋食、素材の味を活かした料理とよく合います。たとえば、白身魚の刺身やカルパッチョ、蒸し鶏、春雨サラダ、魚の塩焼きなど、淡白で上品な味わいの料理と組み合わせることで、吟醸酒の香りや透明感が引き立ちます。

一方、純米酒は米の旨みやコクがしっかりと感じられるため、味の濃い料理や家庭料理と相性抜群です。照り焼きや煮物、天ぷら、味噌や醤油を使った煮込み料理、さらにはおでんや鍋料理など、しっかりとした味付けの料理と合わせると、純米酒の深い味わいが料理の美味しさをさらに引き立ててくれます。

ペアリングのコツは、お酒と料理の味の強弱を合わせることです。淡白な料理には軽やかな日本酒、濃い味付けの料理にはコクのある日本酒を選ぶと、どちらの良さも生きてきます。ぜひいろいろな組み合わせを試して、自分だけのお気に入りのペアリングを見つけてみてください。

9. 吟醸酒・純米酒の選び方のポイント

吟醸酒や純米酒を選ぶときは、まずラベルに注目してみましょう。ラベルには精米歩合や原料表示、特定名称など、そのお酒の特徴がしっかりと記載されています。吟醸酒の場合は「精米歩合60%以下」「醸造アルコール添加あり」といった表記があり、純米酒は「米・米麹・水のみ」と明記されています。特に「純米吟醸」「純米大吟醸」などの表記があれば、より米を磨き、吟醸造りで仕上げた特別な純米酒であることが分かります。

また、精米歩合の数字が小さいほど、より米を磨いて雑味を減らしたクリアな味わいが期待できますが、必ずしも精米歩合が低い=美味しいとは限りません。米の旨味やコクを楽しみたい方は精米歩合がやや高めの純米酒、フルーティーで華やかな香りを楽しみたい方は吟醸酒や純米吟醸酒がおすすめです。

さらに、アルコール度数や酒米の品種、蔵元のこだわりなどもラベルや説明文から確認できます。自分の好みや飲むシーン(食事と合わせる、贈り物にする、特別な日に楽しむなど)に合わせて、じっくり選んでみてください。いろいろな銘柄を試してみることで、日本酒の奥深さや自分の好みがきっと見えてきます。

日本酒選びは「ラベルをよく見ること」が第一歩です。ぜひ、精米歩合や原料、特定名称などをチェックしながら、自分にぴったりの一本を見つけてみてください。

10. 価格や入手しやすさの違い

吟醸酒と純米酒は、価格や入手のしやすさにも違いがあります。吟醸酒は、精米歩合を60%以下にまで米を磨き、低温でじっくり発酵させる「吟醸造り」という手間のかかる製法で造られるため、やや高価な傾向があります。たとえば、人気の純米大吟醸酒「久保田」は、720mlで1,800円(税込1,980円)、1,800mlで3,870円(税込4,257円)ほどが目安となっています。また、希少な銘柄や限定品になると、さらに高値になることもあります。

一方、純米酒は原料が米・米麹・水だけで、比較的シンプルな製法のものも多く、リーズナブルな価格帯の商品が豊富です。日常酒として気軽に楽しめるものから、特別な日のための高級酒まで、幅広いラインナップが揃っています。通販サイトやスーパー、酒販店などでも手軽に購入できるため、日常的に日本酒を楽しみたい方にもおすすめです。

このように、吟醸酒は特別な日の贈り物や自分へのご褒美に、純米酒は普段の食事や家飲みにと、シーンや予算に合わせて選びやすいのが魅力です。価格や入手のしやすさも参考にしながら、自分にぴったりの日本酒を見つけてみてください。

11. どちらを選ぶ?初心者へのアドバイス

日本酒選びに迷ったとき、まずは自分がどんな味や香りを楽しみたいかを考えてみましょう。香りを重視したい方や、フルーティーで華やかな日本酒を飲んでみたい方には吟醸酒がおすすめです。吟醸酒は、低温でじっくり発酵させる吟醸造りによって生まれる、リンゴやメロンのような吟醸香と、すっきりとした飲み口が特徴。冷やして飲むと、その香りと軽やかさがより際立ちます。

一方、米の旨みやコクをしっかり味わいたい方、食事と一緒に楽しみたい方には純米酒がぴったりです。純米酒は米・米麹・水だけで造られ、米本来の自然な甘みやふくよかさが感じられます。味の濃い料理や和食との相性も抜群で、常温やぬる燗で飲むと、さらに旨みが広がります。

初心者の方には、まずは吟醸酒と純米酒を飲み比べてみることをおすすめします。どちらも日本酒の魅力が詰まっており、好みやシーンによって選ぶ楽しさがあります。気軽に試して、自分の味覚に合う一本を見つけてみてください。日本酒の世界がぐっと広がるはずです。

まとめ

吟醸酒と純米酒は、原料や製法、香り・味わいに明確な違いがあります。吟醸酒は、精米歩合60%以下に磨いた米を使い、低温で長期間発酵させる「吟醸造り」によって造られます。さらに、醸造アルコールを加えることで、華やかでフルーティーな香りと、淡麗ですっきりとした上品な味わいに仕上がるのが特徴です。

一方、純米酒は米・米麹・水のみを原料とし、醸造アルコールを一切使用しません。そのため、米本来の旨味やコク、ふくよかさがしっかりと感じられ、比較的濃醇なタイプが多いのが魅力です。

日本酒選びでは、ラベルに記載された精米歩合や原料表示を参考にしながら、シーンや好みに合わせて選ぶことが大切です。吟醸酒は特別な日の一杯や贈り物に、純米酒は日常の食卓や家庭料理と合わせて楽しむのもおすすめです。

両者の違いを知ることで、日本酒の楽しみ方がさらに広がります。ぜひ自分だけのお気に入りの日本酒を見つけて、豊かな日本酒ライフをお楽しみください。